
自己判断で早朝出勤している時間は、残業時間になる?
今回は、労働時間について見ていきます。皆さまの社員でこんな方はいませんか?
「朝早く目が覚めるので、早めに会社に来て静かな環境で仕事をしたいんです」
「朝スイッチが入るのが遅いので、自分のペースで仕事準備をするために早く出勤します」
早朝出勤の理由は違えど、会社指示ではなく自己判断で早朝出勤や終業後残って仕事をする社員がいる場合、どういった対応をされていますか?
そもそも労働時間とは?
会社の指揮命令下において、会社から指示されて働いた時間が労働時間です。
単に手を動かして働いている状態だけでは、労働時間とは本来言えません。
そのため、例えば、上司が終業時間後は速やかに帰るように指示していたり、早朝に出社するのをやめるように指示している場合、社員が会社のためや責任感でもって仕事をしている場合でも、本来その時間は残業時間ではないのです。
きっとコラムを読むぐらいの方は、ここで「指示してないなら良いんだ!!」とは、ならないですよね?
はい。その通りです。裁判では、「黙示の指示」として認定され、会社は負けます。
黙示の指示、つまり残業指示はしていないけれど、残業しているのを知っていた。それを止めなかったのは、指示しているのと同じです!となります。
そのため、タイトルのQの回答は以下の通りです。
>自己判断で早朝出勤している時間は、残業時間になる?
>残業時間になります。黙認せず、しっかりと労務管理をしましょう。
労働局のガイドラインでも示されています
平成29年に作成された労働時間管理のガイドラインでもしっかりと示されています。
<抜粋>
- 労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たること
▶︎労働時間の適正な把握のために(ガイドライン).pdf 【厚生労働省ホームページ内】

自己判断に任せずしっかりと労務管理をしましょう
自己判断でもって残業をする社員、真面目な方が多いかもしれません。
もしかすると、社員から「残業じゃないので・・」などと言って、タイムカードを退勤したことにする方もいるかもしれません。
でも、そういった場合でも、会社としてはしっかりと労務管理をしてください。
- 残業が不要と判断するなら仕事を終了してもらう。
- 残業が必要と判断するなら、残業として残業代をしっかりと支払う。
- タイムスケジュールを組むのが苦手な社員なら、その点も踏まえて指示・指導していくことが必要になってくる場合もあると思います。
- こなせる業務量も人によって違います。業務量の配分を見直したり、作業の手順の見直しを指導するといった対応が必要になる場合もあります。
日々のコツコツとした労務管理が、社員を育て、会社の強さに繋がると考えています。
もっと詳しいことが知りたいなどのご要望があれば、お問合せよりご連絡お待ちしております。