半日単位の年次有給休暇を導入する際のポイント
「子どもの学校行事に参加したい」「通院のために午前中だけ休みたい」など、
従業員から年次有給休暇(以下、年休)を半日単位や時間単位で取得したいという要望が出ることは、近年では珍しくありません。
働きやすい職場づくりの一環として、半日単位や時間単位の年休を導入・検討する企業も増えています。
今回は、「半休制度」を導入する際に経営者として押さえておきたい点を解説します。
1.年休の付与単位の原則
年休は、労働基準法により1日単位で付与することが原則とされています。
これは、従業員が心身の疲労を回復し、十分にリフレッシュすることを目的とした制度であるためです。
一方で、就業規則などに会社独自のルールを定めることで、半日単位での年休取得を認めることも可能とされています。
なお、半休の導入は法律上の義務ではなく、あくまで会社の任意です。
自社の業務内容や人員体制を踏まえ、導入の可否を判断することが重要です。
2.半休導入時の「区切り方」
半休を導入する場合、「半日」をどこで区切るのかを明確に定める必要があります。この区切り方は、会社が定めるため、午前休と午後休の時間を等分にしても良いですし、等分でなくても問題ありません。
基本の考え方としては、年休が本来「午前0時から24時間」を1日とする制度であることを踏まえると、その半分である正午を基準に区切るという考え方となります。
ただし、実務上は次のような合理的な区切り方も認められています。
- 1日の所定労働時間を2等分した時刻を区切りとする
- 昼休憩の開始・終了時刻を区切りとする
特に、午前・午後で業務が明確に分かれている職場では、昼休憩を区切りとする方法は分かりやすく、管理もしやすいと考えます。
注意点として、午前休と午後休で実際に働く時間数が異なる場合、従業員間で不公平感が生じやすくなるという点です。
制度導入時には、この点についてきちんと説明をしておくことが大切です。
3.所定労働時間が短い日の取り扱い
医療機関等に多くあるケースですが、特定の曜日だけ『所定労働時間が短い日(午前中のみ勤務の日など)』がある場合、その日に年休を取得すると、原則として「1日分の年休消化」となります。
半日なので、「半休扱いになる?」と疑問に感じる点だと思いますが、上記のように1日分の年休消化に該当します。
半休制度を導入の際は、所定労働時間が短い日の扱いについて、1日単位とするのか半休扱いを認めるのか、この点もしっかりと決めておくことをお勧めします。
制度設計は「公平性」と「管理のしやすさ」が鍵
半休制度を導入することで、従業員は個々の事情に応じて年休をより柔軟に活用でき、結果として働きやすさの向上や定着率の改善につながります。
一方で、
- 管理が煩雑にならないか
- 従業員間で不公平感が生じないか
といった点を十分に考慮し、自社に合ったルールを就業規則で明確に定めることが重要です。
半休制度導入に限らず、就業規則の見直しや作成を行う際は、トラブルを未然に防ぐためにも専門家に相談しながら進めていくことをお勧めいたします。