
社労士コラム 2025年2月18日
求人票と違う条件で採用しても良いのでしょうか?
ある会社様からのご相談です。

「正社員の求人票をみて応募のあった方の面接を行いましたが、当社が希望する水準に残念ながら達していませんでした。
ただ、良い方ではあるので、契約社員で採用を提案出来ればと思いますが、求人票と違う条件で採用しても良いのでしょうか?」

求人票の内容と異なる労働条件を提示すること自体は違法ではありません。ただ、以下3つの注意点があります。
1応募者への説明と同意
- 求人票と異なる条件を提示する場合、変更点を明確にしましょう!
- その変更点や異なる条件を提示する理由などを丁寧に説明しましょう。
上記説明を行った上で「同意」を得ることが必要となります。
2契約書の明示
- 労働条件を変更する場合、労働条件通知書という会社からの通知形式ではなく、双方がサインをする「雇用契約書」の形で契約を交わしましょう。
- 労働者が自由な意思で同意したことが証明できる状態にしておくことが重要です。
3虚偽表示の禁止
大前提の話になりますが、初めから応募者を増やす目的でウソの求人内容を提示することは職業安定法や労働基準法に違反します。
そもそも求人票の役割とは?
求人票は、会社の情報や募集する仕事の内容・労働条件の詳細を出し、その条件に興味のある方に広く申し込んでもらうお誘いにあたるものです。
広く申し込んでもらうためのお誘いとはいえ、上記3の虚偽表示の禁止はそもそも法違反となります。
同意と雇用契約書を交わすタイミングは?
注意事項の1と2にあたる変更の同意と雇用契約書を交わすタイミングですが、どちらも入社前、就労開始前であること。同意は、早いことに越したことはありません。ただし、口頭での同意だけではトラブルの元です。必ず書面を交わすようにしましょう。
仮に入社直前や入社後に雇用契約書を交わした場合、口頭で同意を得ていたとしても裁判所の見解としては、「すでに前職を辞めていたり、仕事を開始しているのであれば、今更断れない状況だったのでしょう・・」となる可能性が高くなります。
手間なようでも、こういったポイントをきちんと押さえて労務管理をすることでトラブルの予防につながります。
採用は特に最初が肝心です。
求人票と相違するしないに関わらず、お互いの認識違いがないように雇用契約書は入社前に交わしておくことをおすすめします!