
給与の日割り計算の方法って法律で決まっていますか?
給与の日割計算、月途中での入社や退職などの場合に発生しますが、就業規則がない場合やルールとして就業規則に載せていない場合に頭を悩ませることの1つです。
今回、ご質問をいただいたので改めて日割計算の方法について整理しました。
まず、法的な決まりはありません!そのため、各会社にてルールを決めて日割計算を行います。一般的には以下の3種類での計算方法があります。手当を含むか否か、端数処理の方法(切上げ、四捨五入)など、原則従業員に不利にならない方法で計算します。
一般的に多く用いられている方法は、3つめの「月平均の所定労働日数を用いる方法」です。
それぞれの特徴を計算式とともに見ていきましょう。
1.暦日を用いる方法
計算方法:基本給÷当該月の暦日×出勤日数=支給額
【例】基本給300,000円の従業員が、11月に10日間出勤した場合
300,000円÷30日×10日=100,000円
<特徴>
・暦日が少ない月は金額が高くなり、暦日が多い月は金額が安くなります。
・シンプルでわかりやすい計算方法(計算過程のミスが起こりにくい)
2.当該月の所定労働日数を用いる方法
計算方法:基本給÷当該月の所定労働日数×出勤日数=支給額
【例】基本給300,000円の従業員が、所定労働日数22日の月に10日間出勤した場合
300,000円÷22日×10日=136,363.6363……円=136,364円
<特徴>
・所定休日分を数えないため、暦日を用いる計算方法よりも金額が高くなります。
・月ごとの所定労働日数には違いがあるため、月によって1日当たりの金額が変わります。
3. 月平均の所定労働日数を用いる方法
計算方法:年間所定労働日数÷12=月平均の所定労働日数
基本給÷月平均の所定労働日数×出勤日数=支給額
【例】基本給300,000円の従業員が、所定労働日数22日の月に10日間出勤した場合
※年間所定労働日数は246日と仮定
246日÷12ヵ月=20.5日
300,000円÷20.5日×10日=146,341.46……=146,342円
<特徴>
・月平均の所定労働日数を用いるため、いずれの月でも1日当たりの単価が同じになる
・月による損得が生まれないというメリットあり
・欠勤控除をする場合、10労働日以下は「欠勤日数」11労働日以上は「出勤日数」で控除をしないと控除額の方が大きくなる場合があるため、注意
※いずれの方法であっても計算結果が最低賃金を下回っていないかはご確認ください。

いかがでしたか?3つ目が多く用いられる傾向にあるのは、一番不公平感が少ない(月による損得がない)という点が考慮されてのことだと思います。
日割り計算があまり発生しない場合、発生ベースで立ち止まったり、人によって対応が違っていたり・・・といったことも考えられます。
ルールを決め、就業規則などに記載しておくことをおすすめします。