
引上げになった最低賃金はいつの給与から支払えば良いの?
賃金については、都道府県ごとに最低賃金が定められており、会社はその額以上の賃金を従業員に支払うことが義務付けられています。
2024年度の地域別最低賃金が、各都道府県で10月からスタートしています。10月1日適用がほとんどですが、全国トップの引上げ額(84円)とした徳島県は11月1日から適用となっています。
<参考:地域別最低賃金の全国一覧 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)>
今回は、最低賃金に関連するQ&Aを取り上げます。
最低賃金を適用するのは、勤務日ベース?支払日ベース?
Q1. 給与計算期間は末締め・翌月15日払いのため、9月1日~30日勤務分を10月15日に支払います。この場合、10月15日の支給分からUPした最低賃金での支払いが必要でしょうか?
A1. 最低賃金は、発行日の労働に対する給与から適用となり、支払日は関係しません。具体的な金額と給与締め日で見ていきます。
京都:10月1日発行で(改正前)1,008円(改正後)1,058円
(末締めの場合)
9月1日~30日勤務分→1,008円で計算
10月1日~31日勤務分→1,058円で計算となります。
(月途中締めの場合)
9月21日~10月20日
→9月勤務分は1,008円、10月1日勤務分から1,058円で計算可能
実務的な手間暇は増えますが、給与計算期間の途中であっても上記のように2つの時給でそれぞれの期間を計算することは問題ありません。
また、煩雑さを避けるため1ヶ月すべてを新しい1,058円で計算してももちろん問題ありません。(逆にすべてを1,008円で計算することは違法となります)
在宅勤務者の最低賃金は、どの都道府県で考えるの?

Q2. 在宅勤務の社員がいます。その社員の最低賃金はどの都道府県で考えれば良いのでしょうか?
A2.最低賃金は事業所ごとに適用されるため、所属事業所の最低賃金が適用されます。
(在宅勤務者の自宅は、事業所とは認められません)
仮に沖縄の人を東京の会社が在宅勤務で採用した場合、東京の最低賃金が適用されます。
事業所が複数ある場合は、本社の最低賃金が適用される?
Q3. 京都が本社、名古屋と岐阜に支店があります。全社員、京都の最低賃金を満たしていれば良いですよね?
A3. 上記A2.の回答にあるように最低賃金は、「事業所ごと」に適用されます。
そのため、名古屋支店は「愛知県」、岐阜支店は「岐阜県」の最低賃金が適用されますのでご注意ください。