
学生アルバイトの社会保険の扶養認定年収150万円へ拡大
人手不足が本格化してきていますが、その対策の一つとして学生アルバイトの対応が話題になっています。弊社顧問先にも飲食業があり、親御さんの社会保険・税金の扶養から抜けないように働き方を調整しているという話も聞いているため、今回の見直しは会社・学生アルバイトの両方にとって良い見直しとなりそうです。
最新の社会保険の見直し状況について、お伝えいたします。
19歳以上23歳未満の扶養認定年収150万円へ見直し
扶養認定年収の見直し(案)として2025年5月16日にパブリックコメントにその内容が発表されました。
パブリックコメントとは、いわゆる「意見公募」です。行政機関が政策などの案を公表して国民から意見や情報を募って、その意見を考慮して意思決定を行う制度です。
発表された見直し案
19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について(案)PDF:厚生労働省保険局保険課
見直し案の概要
適用開始時期:2025年10月1日予定
対象者 :19歳以上23歳未満
見直し内容 :社会保険の扶養として認める年収上限を130万円→150万円へ引上げ

ポイント
・年齢で区切っているため、学生でなくても良い
→学生バイトと表現されることが多いですが、あくまで年齢判断です。
・年齢が該当しても配偶者の場合は対象外
→お子さんを想定しているため、仮に19歳の配偶者は変わらず130万円が扶養認定の上限です。
実際の実務上は、年収と年齢の区切りをどう見るのかが気になるところですが、見直しが確定後に詳細が出てくるものと思われます。
税金面では、すでに改正が行われていて19歳以上23歳未満の扶養家族については年収150万円まで親御さんの扶養として満額税額控除が受けられるように決まっています。これで、税金面・社会保険面が足並みをそろえて「年収130万円の壁」を超えることになります。
20万円のUP、19歳から23歳まで・・・最小限の範囲で見直しをしたという感じですね。
最低賃金も上がり続けているので、正直大幅に働ける時間が増えないような気がするのですが・・とは言え、人手不足解消に少しでもつながっていけばと思います。