
有給休暇の買い取りは違法じゃない?
通常時の有給休暇の買い取りは違法です。
ただし、退職時の未消化有給休暇を買い取ることは違法ではありません。なぜなら、有給休暇の趣旨は「労働者の心身の疲労を回復しリフレッシュさせ、ゆとりのある生活を保つ」ということであり、退職者の消化できない日数分を買い取りすることは、この趣旨から外れるものではなく、問題ないとされているためです。
ここで有給休暇の買い取りに関して、気になるポイントをQAにして見ていきます。
買い取りは義務?
Q1:従業員から買い取ってと言われたら買い取らないとダメ?
A1:退職時の買い取りが違法ではない、というだけで買い取る義務はありません。
買い取りする有給休暇の支払額は?
Q2:未消化分の有給休暇は通常の賃金を支払えば良いでしょうか?
A2:通常の賃金(会社で規定している額)で支払うケースが多いです。
ただし、買い取り額や買い取り日数は、当事者間(会社と退職者)で決められますので、必ずしも通常の賃金でなくても問題ありません。
買い取りする人としない人がいても良い?
Q3:退職が決まっているAさんには、引継ぎをギリギリまでやってもらいたい。
同じように退職が決まっているBさんは、業務上引継ぎは不要だと考えている。
Aさんだけ、有給休暇の買い取りをしても良い?
A3:Aさんのみ引継ぎにより消化できない分の有給休暇を買い取ることは問題ありません。
Bさんは業務引継ぎが不要であり、有給を取得することができる状況のため買い取りをする必要はありません。
*注意*
業務の引継ぎ有無に関係なく、買い取りするのが当たり前の労使慣行になっている場合は、買い取りを断る理由が明確に説明できないため、人によって差をつけるのは難しくなります。退職時の買い取りが慣行とならないよう注意してください。
今回は、有給休暇の買い取りについてご紹介しました。
よくある質問や疑問などを今後発信していきますので、ご参照ください。