有給休暇の管理、後回しになっていませんか?
~ 5日取得義務の実務対応 ~
有給休暇に関する顧問先様からのご相談事例「その3」をご紹介します。
「正直なところ、有給休暇の管理がしっかりできていません。このままで問題になることはありますか?」
このご相談は非常に多く、中小企業では“よくある状態”でもあります。
ただし結論から申し上げると、
有給休暇は「管理できていない状態」が最もリスクになります。
今回は、制度の話ではなく、実務として何が問題になるのかを整理します。
有給休暇は“管理しないと回らない制度”
有給休暇は、
・付与される
・取得される
・消滅する
というシンプルな制度に見えますが、何もしなければ崩れる制度です。
実際の現場では、
・誰が何日持っているか分からない
・いつ消滅するか把握していない
・5日取得義務の進捗が見えていない
というケースが意外と見られます。
管理していないと何が起きるか
ここが一番重要です。
①突然の有給取得で現場が止まる
退職時や繁忙期に、「残っている有給をまとめて使います」
→ 業務が回らなくなる
②従業員とのトラブル
「まだ有給が残っているはずです」
→ 記録が曖昧で説明できない
③労基署対応で詰まる
「有給管理簿を見せてください」
→ ❌ 整備されていない
つまり、問題は“有給があること”ではなく“管理できていないこと”です。
5日取得義務との関係
現在は、年5日取得させることが会社の義務となっています。
ここで問題になるのが、
● 管理していない会社の典型
・取得状況を把握していない
・気づいたら未達
・指摘されて初めて対応
この状態は、意図せず違反しているケースになりやすいです。
よくある実務ミス
①時間単位で取らせて安心している
❌ 5日義務にはカウントできません
②本人任せにしている
❌ 会社の義務なのでNG
③年度単位で管理している
❌ 正しくは「付与日基準
④パート・アルバイトを管理していない
❌ 条件を満たせば対象
有給管理の基本設計
ここが一番大事です。
①全社員を一覧で管理する
・付与日
・付与日数
・取得日
・残日数
👉 一目で分かる状態にする
②「付与日基準」で管理する
・人ごとに違う
・年度ではない
③途中で進捗チェック
・半年時点で確認
・未達者を把握
④必要に応じて時季指定
・取得が進んでいない場合
→ 会社が日を指定
ポイントは「結果ではなくプロセスを管理すること」

経営者としての視点
有給休暇は、単なる福利厚生ではなく管理責任のある制度です。
放置すると、
・業務リスク
・法令違反
・従業員トラブル
につながります。
社労士からのアドバイス

中小企業では、「忙しくて後回し」が一番多い原因です。
ただし、有給は後からまとめて調整できる制度ではないため、
早い段階で
・管理方法(勤怠システムの活用など)
・運用ルールを整えておくことが重要です。
まとめ
・有給休暇は管理しないと崩れる制度
・5日取得義務により管理の重要性が上がっている
・時間単位年休はカウントできない
・最大のリスクは「管理していないこと」
「今の運用で問題ないか不安がある」という場合は、一度チェックされることをおすすめします。どうぞお気軽にご相談ください。