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有給休暇の5日取得義務の対応できていますか
社労士コラム 2026年5月25日

有給休暇の5日取得義務、対応できていますか?

~ 実務で迷いやすいポイントを解説 ~

先日、顧問先様からこのようなご相談をいただきました。
「有給休暇は本人の自由だと思っていたのですが、会社が取らせないといけないと聞きました。本当でしょうか?」

結論から申し上げると、
一定の条件を満たす従業員については、会社に「取得させる義務」があります。

この制度は理解しているつもりでも、実務上の対応を誤るケースが非常に多い分野です。今回は、実務で押さえておきたいポイントを整理します。

有給休暇の5日取得義務とは

2019年4月の法改正により、

  • 年10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に対して
    → 年5日については会社が取得させる義務 が課されています。

ここで重要なのは、
👉「従業員が自主的に取るかどうか」は関係ないという点です。

「取得させる義務」とはどういうことか

例えば、

  • 従業員が忙しくて全く有給を取らない 
  • 遠慮して申請してこない 

このような場合でも、

👉 会社が何もしなければ義務違反になる可能性があります。

そのため、

  • 取得状況を把握し 
  • 不足している場合には
    → 会社が時季指定を行う 必要があります。

対象者の判断でよくある間違い

実務で多いのが「対象者の見落とし」です。
対象になるのは、

👉 “付与日数が10日以上”の従業員であり、

  • 正社員だけでなく 
  • パート・アルバイトでも 条件を満たせば対象になります。

カウント方法の注意点

5日取得義務のカウントは、以下に注意が必要です。

● 半日・時間単位はどうなるか

  • 半日有給 → 0.5日としてカウント出来ます。 
  • 時間単位 →5日取得のカウント対象外です。 

👉 時間単位で取得した有給も合計出来ると認識違いしているケースがあります。

● 計画的付与との関係

計画年休で付与した日数は、

👉 5日義務に含めることが可能

ただし、

👉 最低5日は従業員の自由取得分を残す必要あり

よくある違反パターン

労基署調査でも指摘されやすいのが次のケースです。

①「本人任せ」
「取っていないのは本人の問題」と考えている→ ❌ 義務違反の可能性

②管理簿がない
取得状況を把握していない→ ❌ そもそも管理義務違反

③退職者の未達
退職時に5日未満だった→ ❌ 原則として会社責任

産休・育休との関係(重要)

産休・育休との関係(重要)

👉 産休・育休中は→ 有給休暇を取得することができません

そのため、

👉 5日取得義務のカウントにも含められません

つまり、

  • 産休に入る前に取得させておかないと未達になる 

この点は実務上非常に重要です。
ただ、有給付与日直前の復帰などで、物理的に5日間の取得が不可能である場合は、可能な日数の取得で問題ありません。
また、有給付与日から1年間丸々育児休業期間にあたる場合は、有給休暇5日間の取得義務の対象からは除外されます。

実務での対応方法

現場では次の流れで管理するのがおすすめです。

①付与日ごとに管理 → 「年度」ではなく「個人ごとの付与基準日」
②取得状況の見える化 → 一覧表(Excel等)で管理
③未達者の早期把握 → 半年経過時点でチェック
④時季指定の実施 → 書面・記録を残す

※上記見える化や管理面での負担軽減の面からも、弊所では勤怠システムの導入を推奨しています。管理対象となる人数次第ですが、システムに任せるところは任せてしまい、他の利益の上がる業務などに人員を割いて欲しいからです。

罰則について

この義務に違反した場合、

👉 30万円以下の罰金 が科される可能性があります。

ただし実務では、
「悪意の有無」よりも「管理体制の有無」が見られる傾向にあり、
「就業規則に5日取得義務について規定しているか」という点も見られます。

社労士からのアドバイス

社労士のアドバイス_ポイント

有給休暇の5日取得義務は、制度としてはシンプルですが、

  • 管理方法 
  • 対象者の判断 
  • 特殊ケース(産休・退職など) 

によって、実務対応に差が出やすい分野です。
「知らなかった」では済まされない部分でもありますので、一度、自社の運用が適切か見直してみることをおすすめします。
人事労務に関することでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

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